こんにちは、飯綱です。
今回も、前回から引き続き、本のレビューを行っていきたいと思います。
前回の記事はこちらです↓
句会での体験談
前回も少し解説しましたが、この本はフルーツポンチ村上さんが、実際に句会に参加してみての体験談をまとめたものになります。
句会とは何か知りたい方は、こちらをご覧ください↓
この本の中で、私が印象に残った句会をいくつか紹介していきたいと思います。
俳句一家「屍派」
いきなり物騒な名前ですが、れっきとした句会です。
場所は東京・歌舞伎町の、横道を入った場所にある背の低い建物。
扉を開けると目の前には真っ赤な急階段。
それを上った先にあるバーカウンター…。
…この説明だけでやばい香りがプンプンしますね…。
基本的にこの句会は、全員キャラ濃すぎます。
俳句一家「屍派」家元の北大路翼さんはじめ、
・句会を仕切っている木内龍さん・ゆり子さん夫妻
・インドと日本を行き来しているゆかりさん
・パンツを買い替えたばかりのゆーきさん
・「おそうぢくん」と呼ばれている本名・そうぢさん
・糖尿病のおさじさん
・見た目は女性だけど男性で、アメリカ生活が長く日本語が特殊なこゆきさん
・C-C-Bの関口さん
フルーツポンチ村上健志の俳句修行 より
といった錚々たる顔ぶれ。
私なら逃げます。
そしていざ句会が始まってみると、皆さん言葉を飾らず、言いたいことを言います。
村上さんの句にもダメ出しの嵐です。
ただ、この句会の良さはそこにあるのかと思います。
小手先の俳句ではなく、自分が感じたままの、素直な気持ちを表現することを第一としている人たちの集まりなのでしょうね。
…でもやっぱり怖いですねこの句会。
尻子玉俳句会
これまた強烈な名前の句会です。
尻子玉とは、人の尻の中にあると考えられていた架空の臓器のことです。
これを河童が引き抜くと言われていたんですね。
…そう、河童です。
こちらの句会は、河童や宇宙人などが存在し、それらの立場、目線で俳句を詠む「妄想」がテーマの句会です。
私も妄想大好きなので、この句会にはとても興味をそそられました。
会話の中でどんどん妄想が膨らんでいくんですが、その中で、河童の身分制度について言及されたときは、とても驚きました。
そんな発想は絶対に私からは出てきませんね…。
改めて、俳句の自由さ、限界の無さを知ることが出来ました。
暫定句会
こちらはBL(ボーイズラブ)をテーマにした句会です。
私はBLには詳しくないので、正直あまり理解することが出来ない句会でした。
参加していた村上さんも、かなり苦労しながら俳句を詠んでいたようです。
ただ、他の参加者の方々が考える、「少し危険で美しい世界」のようなものが垣間見えた気がして、「ああ、こういう世界もあるのか」と、勉強になりました。
ほんと、俳句って何でもありなんですね。
連句ゆるり
こちらは俳句の元になった「連句」を行う句会です。
連句とは、五七五の発句に別の人がそれをよりおもしろくするような「七七」をつけて、さらに別の人が五七五、七七…とつなげていく集団文芸のこと。
フルーツポンチ村上健志の俳句修行 より
つまり、複数人で一つの詩を作っていくゲームのような感じですね。
そう、ゲームなんですよ。
今で言う、TTRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)だと思います。

連句にはいろいろと細かなルールが決められていて、「捌き」(いわゆるゲームマスターですね)の指示に従って進行していきます。
全員が一致団結して目的を達成しようとする感じは、モンハンみたいな協力プレイを連想させます。
あと、「このタイミングでこういった句を詠むと高評価!」みたいな感じが、サブクエストみたいでやる気を出させる要素の一つなんじゃないかと思います。
やりこみ要素があると燃えますよね。
村上さんの連句への熱中具合が伝わってきたのも良かったです。
私もいずれやってみたいです。
まとめ
句会、楽しそうですよね。
ただ自分に合わない集まりに出ちゃうと、ちょっと辛いかなと思います。
ただ、そこは村上さんのように積極的にいろいろな句会に参加して、自分自身で判断するしかないとも感じました。
自分の居場所は自分で見つけるしかありませんからね!
私は以前から句会というものに興味があったので、この本はとても参考になりました。
こんなにたくさんの句会があるということ、句会によって出題されるお題や、集まる人達、会の進み方までぜんぜん違うということを知ることが出来ました。
今回紹介出来なかった句会もたくさん収録されているので、良ければ皆さんも読んでみて下さい!
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