こんにちは、飯綱です。
今回紹介するキャラクターは…。
「どろろ」より、百鬼丸です!
「どろろ」は、手塚治虫作品の一つで、百鬼丸はその主人公の一人です。
詳しくはこちらをご覧ください。

「どろろ」は、戦国時代が舞台の漫画ですので、登場人物は皆着物を着ています。
百鬼丸はこんな感じです。
「どろろ」 第二巻より
百鬼丸の着物姿を見て、まず気づいた点は…。
襦袢を着ていないということです。
調べてみると、この時代の庶民は襦袢を着ずに、素肌に着物を着ていたそうですね。
夏はいいですけど、冬は半端なく寒そうです。
あと、丈が短めですね!
百鬼丸は妖怪退治をしているため、動きやすい短い丈の着物のほうがいいのでしょうか。
さらに、この着物の一番の特徴として、錨(いかり)の柄が入っています。
私は、錨柄をそれまで知らなかったので、とても気になりました。
一体どんな意味合いがあるのでしょうか?
調べてみました。
このサイトによると、
アンカー(いかり)は、「安定性」や「絆」、「困難に立ち向かう強さ」、「己を見失わない」などの意味があります。
https://www.puaally-hawaii.com/jewelry/necklace/K14NC_anchor.html#:~:text=%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%BC(%E3%81%84%E3%81%8B%E3%82%8A)%E3%81%AF%E3%80%81%E3%80%8C,%E8%B1%A1%E5%BE%B4%E3%81%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
広い広い海の上で、船が流されない様に止めておくため、海底に重しとして沈めるものです。その為、人生の荒波にも流されず道を見失わないない様守ってくれる象徴とされています。
とあります。
どれも百鬼丸にピッタリの意味ばかりだったので、びっくりしました。
この着物は、百鬼丸が育ての父親である医者の寿海から渡されたものです。
「どろろ」 第一巻より
着物の柄の意味を考えても、息子である百鬼丸の身を案じているのが伝わってきます。
そう考えると、親の愛のこもった素敵な着物に見えてきました。
というか、百鬼丸はこの着物と一緒に名前をもらったんですよね。
さぞかし嬉しかったはずです。
まるで、生まれ変わったような気分だったのではないでしょうか。
話は変わりますが、私の普段着ている着物の中に、父からもらった米沢織の着物があります。

父が結婚祝いに母方の祖父からもらったもので、素人目でもわかるくらい、大変良い着物です。
この着物を着ると、まるで自分が立派な人間になったような、高揚とした不思議な気持ちになります。
まだまだ着物に着られてる感は否めないのですが…。
ただ、この着物を着るようになって一つ、気づいたことがあります。
この着物には、今は亡き祖父の願いや理想が込められているのではないか…と
祖父は父に、この着物が似合うような立派な男になってほしかったのでしょう。
自分で言うのはなんですが、うちの父は私達一家を養うために、一軒家を建ててすぐ、十年以上単身赴任で各地を飛び回る生活をしていました。
とても私には真似できない、立派な人だと思っています。
本来、その父が着るはずだった着物を、孫である私が着ることになるとは、なんだか分不相応に思います。
早く私もこの着物に相応しい男になりたいものです。
…このように、着物はその気になれば何代も受け継いで着ることのできる衣服です。
面白いのは、受け継ぐのは着物以外の、先代のこうあってほしいという理想や願いも含まれるということです。
百鬼丸は、作中通して寿海からもらった錨柄の着物を着続けました。
「どろろ」 第一巻より
どんなに恐ろしい敵が現れても立ち向かい、自分の生まれに苦悩しつつも、己を見失うことはありませんでした。
百鬼丸本人の実力でもあるのですが、私はそれだけではないと思います。
父親の息子に対する、こうあってほしいという願いが、百鬼丸を守ったのではないでしょうか。
残念ながらこの作品は打ち切りとなってしまい、百鬼丸の旅がどのような結末を迎えたのかは描かれておりません。
しかし、百鬼丸の最後の後ろ姿を見て思うのです。
「どろろ」 第四巻より
父親が着物に込めた願いは、叶えられたと。
この先、古着を購入する際は、その着物の過去に思いを馳せるのも悪くないかもしれませんね。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!
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